インターナショナルスクールのカリキュラム
カナダ系
インターナショナルスクール進学を検討中の保護者のための、進学前に知っておきたいことをまとめてみました。この内容は、マレーシア国内で発行されている日本語情報誌Senyum(セニョーム)さんに寄稿させていただいているインターナショナルスクール特集の記事を再編集したものです。
カナダ系カリキュラム
統一試験のあるイギリス系カリキュラムと統一試験がないアメリカ系カリキュラムの中間に位置するのがカナダ系カリキュラムと言えるかも知れません。
カナダは各州によりカリキュラムが異なり、クアラルンプールとスランゴール州近辺でカナダ系カリキュラムを採用しているのは、スランゴール州プタリンジャにあるSunway International School(SIS)の1校だけです。同校が採用しているのオンタリオ州のカリキュラムです。
SISのホームページでは、来年2023年1月に開校する幼稚園Kindergarten(2年制)と小学校Primary School(1年生から5年生)、また今年2022年7月から募集が始まる中学校MIddle School(6年生)について紹介されていますが、ここでは既に授業が行われている中学校と高校についてご説明します。
7年生と8年生からなる中学校は、第1学期(1月〜6月)と第2学期(7月〜11月)の2学期制を採用しています。
また9年生から11年生までの高校は、新年度開始が1月からと7月からの年2回になっています。このため、1月入学の生徒は1月から6月までを第1学期、7月から11月までを第2学期としますが、7月入学の生徒は7月から11月までを第1学期、翌年の1月から6月までを第2学期とした1学年となります。
また最終学年となる12年生は、SISに併設されているSunway CollegeでCIMP(カナダ国際大学入学資格、Canadian International Matriculation Program)の授業を受講して、オンタリオ州の高校卒業資格および大学進学資格を取得します。なおSISへの入学時期により、このCIMP入学時期も、1月入学の生徒は11年生終了後の11月から、7月入学の生徒は11年生終了後の6月からとなっています。
カナダ系カリキュラムがイギリス系とアメリカ系の中間に当たると書きましたが、その理由はOSSLTにあります。オンタリオ州カリキュラムを履修する10年生全員が3月末に受験するこの統一試験は英語1科目です。このOSSLTに合格し、さらに12年生終了時のCIMPの試験で50%以上の成績を収めることで、オンタリオ州の高等学校修了証に当たるOSSD(オンタリオ州中等学校卒業証明証、Ontario Secondary School Diploma)を取得することができます。OSSDはカナダだけでなく、日本も含めた他国の大学入学資格にもなります。
*OSSLTとは
Ontario Secondary School Literacy Test(オンタリオ州中等学校英語運用能力試験)のことで、オンタリオ州カリキュラムを履修する生徒全員が10年生の3月末に受験します。内容は9年生までの範囲の英語の読解力と表現力の試験で、400点満点中の75%に当たる300点以上で合格となります。このOSSLTはオンタリオ州の高等学校修了証に当たるOSSD取得の要件の一つで、10年生で不合格になった場合は11年生で再受験します。万が一、11年生でも不合格になった場合には、CIMPには進学できるものの、OSSD取得のために、通常のクラスの他にOLC(オンタリオ州英語運用能力コース、Ontario Literacy Course)と呼ばれるクラスを別途、履修する必要があります。