リーディングとライティングの重要性 その2

前回からの続きです。インターナショナルスクールへの進学に際して、リスニングとスピーキングができればそれに越したことはないものの、語学の4技能の中では最優先で身につける努力をするものではない、という話を前回書きました。語学学習の4技能の内、残る2つはリーディングとライティングですが、インターナショナルスクール入学に際しては(もちろん入学後も)、この2技能を優先して身につけるための努力をすることが、学校という環境では有効なのではないかというのが私の考えです。

その理由は、このリーディングとライティングという技能が、日本の学校や日本人学校で学んできた生徒に最も欠けている技術だからです。リーディングとライティング、言い換えれば「読み方」と「書き方」ですが、これについてご自身の学習経験を振り返ってみて下さい。学校で「読み方」や「書き方」を習った記憶はあるでしょうか。

「内容を正確に理解して読みなさい」あるいは「読み手にわかりやすく書くことが重要です」などと言われたことがある方もいるかも知れませんが、これは「読み方」や「書き方」の指導とは言えません。

なぜならば、読み方や書き方は技能であるにもかかわらず、そのような指導には具体的に何をすればそれができるようになるのかという方法論が欠けているからです。例えて言えば、自動車の運転を習っている人に「事故を起こさないように運転しましょう」と伝えるだけでいきなり運転させるようなものです。「一時停止の道路標識がある交差点では、完全に停止して、左右の安全を確認する」「低速で走行中でも、車間距離を確保して運転する」など具体的な方法を知らぬままでは、事故を起こさないように運転しろと言われても困ります。

同様に、内容を正確に理解するための「読み方」や、読み手にわかりやすく書くための「書き方」が日本の学校の国語の授業内容に含まれているかと言えば、私の知る限りではそういったものはありません。つまり日本の学校からインターナショナルスクールへ入学する生徒たちは、未経験のリーディングとライティングを自分の母語ではない英語で学ぶことになるわけです。(次回に続きます。)

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