リーディングとライティングの重要性 その1
語学学習ではリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4つの技能を身につけることが必要ですが、皆さんはどれが最も重要だと思われますか。お子さんをインターナショナルスクールに入学させたいと考えている場合を想定してみて下さい。まずはどの勉強から取り掛かれば良いでしょうか。
この問いに絶対的な正解はありません。また、何から始めるかはお子さんの入学時の年齢や学習履歴などによっても異なることもあります。それでも私はまずはリーディングとライティングをリスニングやスピーキングより優先して学ぶべきだと考えています。その理由はリーディングやライティングは「自然に」あるいは「いつの間にか」身に付く技能ではないからです。
インターナショナルスクールに入っても教師やクラスメートと会話ができないのは困るし、そもそも授業が理解ができなければ話にならないから、まずはリスニングとスピーキングから始めべき、と考える方もいるでしょう。受領の理解はもちろん、わからない点を教師に自由に質問ができれば勉強はきっとはかどるでしょう。クラスメートとの会話が弾めば、学校生活も楽しいものになることは間違いありません。
では、リスニングとスピーキングができればまずは一安心でしょうか。これを自分の母語である日本語に置き換えて考えてみるとわかりやすいと思います。日本国内の学校や日本人学校へ通う生徒は、ほぼ全員が日本語のリスニングとスピーキングには何も問題はありません。ではその生徒たちの学業成績はどうでしょう。国語はもちろん、算数・数学や理科などの他教科も、リスニングとスピーキングができれば、授業が理解できる上に質問も自由にできるので、誰もが授業内容を理解し、良い成績を取れるはずですよね。
しかし現実はそうではありません。日本語のリスニングとスピーキングに何も問題がなくとも、授業が分からなくて困る生徒もいれば、思うような学業成績が取れない生徒もいます。つまりリスニングとスピーキングはできればそれに越したことはないですが、すくなくとも学校という環境では必ずしも最優先されるべき技能とはいえないということです。(次回に続きます。)